続き・・・
高齢者向け特例制度とは、昔の公庫、今の名を住宅金融支援機構というが、
ここの特別融資のことである。
60歳以上の方対象に、住宅のバリアフリー化、耐震改修のどちらか、または両方の改修工事をすることが前提のリフォーム工事に対する融資制度。
この融資が、リバースモゲージ型といって、返済は、毎月金利のみでよい。
元金は死亡時に一括返済する。とこういう変わった制度である。
枠は、上限1,000万円。もちろん元金の返済は、100万円単位で、返せるならいつでも良い。
おもしろい制度である。外国ではけっこうこのようなリバースモゲージ型の融資が多いと聞くが、日本では馴染みににくく、けっこう前からあるらしいが、そんなに使われていないのが現状である。
使われていないのは、日本人の感性に合わないというだけではないのが、今回解かった。
というのも、筆者はこの制度のカウンセラーという資格を持っていて、この融資制度を使いたいという方のご依頼があった。
実は、筆者も初めて使う制度である。
条件として、保証人は必要ないが、土地・建物に支援機構の抵当権が打たれる。
そりゃ当然かもしれない。
書類提出先は高齢者事業財団というまた別組織である。
要するに、この財団が、連帯保証人になってくれる関係上、書類関係はこちらにまず提出するのだ。
さっそく登記簿謄本をとったり、一連の書類作成に入った。提出した。
ところが、これが、100番地1という土地に100番地1の2という建物になっている・・・と言われた。
??何がいけないの?解からなかった・・・
100番地1という土地には、100番地1という建物があるはず、100番地1の2は解かるが、100番地1という建物の謄本も出してくれ・・・ということだった。
法務局で調べたら、100番地1という建物は存在するのだが、お隣さんの建物であり現存している。
さっそく、100番地1という建物の謄本も取って、送ってやった。
と今度は、その方の家屋番号を変えろというのである。??????
どういうことかというと、これが、100番地1という土地に建っている建物は、全て担保に入るから、100番地1のつく建物は全て担保になる。
この場合、100番地1と100番地1の2両方の建物が担保になるという。
つまり、お隣さんの建物100番地1も担保にしなければいけないというのだ。
ええええええええええええええええええええええええええええそんなバカな・・・
だから、100番地1、つまりお隣さんの建物の家屋番号を変更する必要があるというのである。
お隣さんの土地は、100番地7という土地だ。
謄本をよく見たら、100番地1の土地から、その昔に分筆していた。要するに分けていたのである。
ということは、分筆前に100番地1の建物が建っていて、その後土地の分筆が行われ、今回の依頼者であるお客様が、100番地1の土地の上に住宅を建てたのだ。
だから、100番地1の次の番号で、100番地1の2となった。
整理してみよう。
依頼者は、土地は100番地1、建物は100番地1の2
お隣さんは、土地100番地7、建物は100番地1となっている。
どういうことかというと、お隣さんが土地の分筆時に建物の地番を変えなかった、ということだそうな。
これは、法務局の人も言っていたが、よくあることだそうな。何の不思議もないという。抵当権は、100番地1の土地と100番地1の2の家に付けられますよ・・・という。
これが、高齢者財団ではだめという。謄本の家屋番号上、100番地1の土地に100番地1の建物があるように判断されるというのである。
法務局や家屋調査士もえええええええええええええええええ、そんなこと言うの?????と言っていた。
財団は、謄本を変更しない限り、書類は進められないの一点張りである。
建物の地番(家屋番号)を変更するには、家屋調査士とかに依頼することになる。費用は3万円~6万円くらいかかる。
ううううう、こうなったら、その辺りの全部の公文書を取って証明してみよう・・・ということで廻りの土地、建物、測量図、建物図面を調べてみた。
全部で、6500円もかかってしまった。
総合的に判断して、絶対に100番地1の土地には、100番地1の2の建物しかないことが証明できる。
そして、100番地7の土地に、100番地1の建物が建っていることも証明できる。ヤッターと思って、いさんで財団と掛け合った。
・・・だめである・・・絶対に謄本上、家屋番号の変更が必要・・・のこれまた一点張りである、頑としてダメ・・・
悔しくて、大本の住宅支援機構に聞いてみた。
対応はすこぶる良い、財団のほうは、しゃくし定規にダメだったが、機構は内容はよくわかりましたので、相談してみて返事しますと言ってくれた。
しかし、結果は、案の定ダメである。
悔しいから、言ってやった。
高齢者特例制度というのは、どんな理念や政策の趣旨で始めたのか?と・・・
高齢者が安心できる住まいうんぬん、昨日書いた文章を読んでいただきたい。
そのような主旨で出来た制度が、
お隣さんの地番を変更しなければ、現実、融資できないとは何事か!?である。
申込者の土地建物を変更せよ、というのであれば、当り前である。
ところが、こちらが融資を申し込むのに、お隣さんに変更のお願いなんて出来ますか?現実?!
今回は、お隣同士けっこう仲がいいようである。お願いしてみると仰っていた。変更にかかる費用もしょうがないから出すという。ものわかりのいい方だ。拙のほうが頭にきている・・・
が、これが、隣同士仲が悪かったりしたら大変だ。
普通、お隣さんの立場からすると、なんでお宅が融資を受けるのにうちが、家屋番号を変えなきゃいけないの?という理屈になる。
こんな現状にそぐわない制度は見直してくれと、屁のツッパリにもならないかもしれないが、言ってやった・・・
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