連載なので、ファイナンシャルを少しばかりお話しよう。
中古住宅の流通を活性化しようとする国の意思がハッキリとしてきた。
この話は、既存住宅流通活性化等事業の補助金を採択された話は既にしたと思う。
この補助金の話を小耳にはさんだのは、エイムという会社の人からだった。
エイムという会社は、耐震金物のメーカーである。
お付き合いは、かれこれ14年になる。
なぜ、数字に無頓着の筆者が15年くらいと言わずに、14年とハッキリ言えるのか・・・
それは、15年前に起こったある事件が大事件で、世間でよく知られていることがあるからだ。
15年前の大事件・・・事件じゃないな・・・そう、あの阪神淡路大震災である。
平成7年1月17日午前5時46分・・・兵庫県南部、淡路島を震源に近年において未曾有の大被害を出した大地震である。
ビックリを通り越して、あんなことが起きるのか・・・と思った諸貴兄姉氏も多いことだろう。
当事者の方、ご親戚が被害にあわれた方もおありだろう・・・
高速道路が倒れている。そこにバスが半分落ちそうに乗り出している・・・
ビルが横にひっくり返っている・・・
家家が、軒並みつぶれている・・・・
そして、夜になって、センセーショナルにテレビから映し出された大火事の様子・・・
あれほどビックリしたことがない。あんなことが起きるのか、まるで映画のようだった・・・
そう、あの震災がちょうど15年前である。
で、その翌年にエイムの西尾さんが訪ねてこられた。
初めてお会いして、その場で耐震金物の契約をした。
阪神淡路の惨状を見て、建築屋として、エイムの姿勢・考えにいたく感じ入ったのを懐かしく思う。
自分の家に潰されて死ぬなんて・・・そこを考えて作った金物である。
あれから14年・・・色々紆余曲折があり、現在に至るが、エイムとの腐れ縁は続いているのである。
先日、東京12チャンネルのガイヤの夜明けなる番組を見ていたら、その西尾さんが出ていた。
へ~~~~~~大したもんだ、とちょっとビックリ・・・
知り合いがテレビで、しかもあのガイヤの夜明けなるメジャーなテレビに出ているなんて、それも主役である。
見た方もいらっしゃると思うが、知り合いが取り上げられているなんて、ちょっと変な感じだった。
偉くなったもんだ・・・と親戚の伯父さんの心境だった。
ああ、こうやってテレビとかに出て有名になってくると、親戚が増えるってことなのか・・・
全然親戚ではないが、解かるような気がする。
で、そのエイムの西尾さんが何を取り上げられていたか・・・
それが、リニューアル仲介という中古物件の新しい取引のやり方である。
えっ、今までの中古住宅の仲介とは違うの?・・・・・
確かに違うのであるが、ここでそのすべてをご紹介するとまたまた長いブログがとんでもなく長くなるので、分けてご紹介していこうと思っている。
先ず持って、なんで、耐震金物メーカーが中古住宅の仲介なんて畑違いのビジネスをするようになったのか・・・
それには、世の人の関心度があるようだ・・・
住宅の耐震性に、本気で取り組んで、いくら耐震性が大切だと叫んでみても、補強はなかなか進まないのが現実。
国の施策として、平成27年までに住宅の耐震化率を90%以上にするというのがある。
今はまだ75%くらいだ。まだまだである・・・
エイムも、その後、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合という長ったらしい名の組織を作ってきた。
通称、木耐協という。平成12年5月以前の木造住宅であれば、申し込めば誰でも無料で耐震診断してくれる全国一の組織である。
一部の建築士会や建築事務所協会の間ではあまりよくない印象を持っているところもまだあるようだが、これはまたの機会になぜそんな誤解が生まれたのかも話そう・・・・
最近では、この木耐協も全国で1,000社以上になった。
木耐協をつくり、日本の木造住宅の耐震補強を進めていこうという理念は素晴らしいものがある。
それがなぜ中古住宅の仲介などを始めたのか・・・
耐震補強は、住みながらではなかなかそのイメージが湧かないということがだんだんと解かってきた。
取り立てて雨漏れする訳じゃないし・・・地震地震って言ったって・・・
住んでいる人はこんな感じが、一般人の感覚であろう。
そりゃ、弊社も得意として行っているが、耐震の補助金などを利用出来るとなれば、やってみようという方も多少いらっしゃる。
それでもなかなかどうして、耐震補強は進まないというのが、現実なのである。
ところがこれが、中古住宅を買おうということになるとどうだろうか?
ここが不思議なもんで、今まで住んでいた住宅の耐震性には無頓着でも、これから住むかもしれないとなると、耐震性は大丈夫?と気になるようだ・・・
昨今、中古住宅を買う人が多くなってきた。
これからは、新築より中古の時代である。と言い切っていいかもしれない・・・
中古を買ってリフォームしよう、なる雑誌が飛ぶように売れている・・・
エイムはここに目を付けた。
住みながらの耐震補強は進まないが、住み替える時、買う時にはみんなが興味・関心の対象になる。
ここに耐震補強のチャンスがある。
世のニーズとは関心の高さである。
ニーズあるところにビジネスあり。
国の方針も後押ししている。
さすが、木耐協もだてに天下りを受けているわけじゃない。
国の施策、考えていることがよくわかっているし、時流にも乗っている。
天下りと言ったが、木耐協は独立行政法人ではない。
なんの権利権益ももっていない。
民間からの成りあがりである。
それは筆者も理事の末席を汚していたことがあるからわかるし、公言しておこう。
このような組合への役人の受け入れは、ものすごく良いことだと思う。
民間の組合、といっても国交省の認可を取っているが、このような経緯で出来た組合や活動の意義が世の為になっている法人には、健全な形の天下りは是である。
その知識や情報をどんどん世の為に役立ててもらいたいところである。
なんだか、自分の老後の退職金稼ぎと、何をやっているのか解からないような行政法人が多いから批判されるし、そんなことはやめてもらいたい、となる。
という経緯があっての、不動産仲介である。
解かりやすく言うと、中古住宅の流通時にこそ皆さんが、耐震性に興味を持つ。
その時こそ、耐震補強のチャンスであるし、補強が進むことになる。
耐震補強すれば、十分にまだまだ、どころか、リフォームしたほうが、新築より安く立派な住宅になることがよくある。
それが20年・25年たつと建物の価値がなくなってしまう・・・というのが今の不動産の現実。
耐震性が担保されているかどうか解からないとなると、取り壊して建替えとなるケースがあまりにも多い。
いや、多かった・・・今までは。
これを建物の価値をしっかりと判断して、耐震性を確保した上でリフォームし、建替えより安く出来るし、
新築同様になるんだったらいいんじゃない・・という人が増えているということ。
筆者から言わせると、新築同様どころか、以上であると言える。
なぜか?だって、新築って好きな仕様にできないデショ・・・
好きな仕様にするとなると、注文住宅となり、高くつく・・・というのが現実である。
新築の設備器具、キッチン・お風呂・トイレ・洗面台などは、廉価品というと言い過ぎかもしれないが、そんなものである。
これが、同じ予算以下で、高級設備に出来るのが、中古住宅である。
ちょっと考えても、中古のメリットはたくさんあるが、このエイムの始めた仲介がちょっと変わっているし、面白い。
リニューアル仲介という。
そう、ガイヤの夜明けで紹介されたことで、知る人ぞ知るになったが、長くなったので、次回にそのメリットを書くことにしよう。
きょうはこの辺で・・・
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