社会の高齢化が進んでいるのが、この仕事をしているとそれなりに良くわかる。
リフォームの相談がある特徴をもっている。
ここに上げるのは、架空の話だが、誰もがそれってうちのこと?うちの実家の話?とか、思うことだろう。
でも、そうではないのです。一般的に私が相談を受ける話を要約するとこういうものになるのです。
ご夫婦二人、中にはどちらか一人ということもある。
子供たちは独立してそれぞれに世帯を持っている。
マンションに住んでいる者と、戸建に住んでいるものといる。
たまには孫を連れて遊びに来るので、2階はあまり使ってないが、子供たちの荷物はたくさんおいてある。
最近は孫のオモチャのほうが多いかもしれない。
それに長年のものが捨てられずにあふれている。
孫のオモチャは、荷物だが、人質とおもって置いてある。孫は着て嬉、帰って嬉・・・
私は、この手の相談には、物を捨てればリフォームなんてしなくても良いですよね・・・と申し上げる。
もちろん冗談半分だが、笑って、そうだよねぇ~という言葉が返ってくる。
まんざら冗談でもない、けっこう真髄を付いているのだろう。
なんで、リフォームなんか考えるのか、さりげなく話を聞くすすめる。できれば余計なお金など掛けたくないのが人情であろうが、それでもしなくちゃいけないと思い込んでいることもあるから。
だって、古いでしょ、このままには出来ないし・・・といって、建替えなんてねぇ~、そんなに長くないし、あと10年若かったら、それも考えるんだけど、年金暮らしだし、お金もかかるしねぇ~・・・
そうか・・・みると、このまま10年も20年もほっとくわけには行かないことは納得する。
それでも、最後の最後に、子供と2世帯という選択肢も残っている時代もあったはずである。
それが、子供もそれぞれ世帯を構えるようになって10年以上経つ・・・
かすかな夢もなくなり、それでもこの家に住み続けようとしている。
この家はお父さんと苦労して建てた家。
はたまた、親が苦労して建て、小さいときからの思い出の家。
よく考えたら壊すわけにはいかないよなぁ~・・・
駅前の便利なマンションにでも引っ越そうか、もう近い将来、老人ホームか、とか色々考えた・・・
それでも、慣れ親しんだご近所。いまさら、知らないところで住むなんて・・・
ここはちょっと不便かもしれないけど、それでも、住み易い、住めば都って言うけど、もう30年以上も住んでいる。
やはり、ここで住み続けよう・・・
こう決めた人たちが、私どもの相談者、縁があれば、お客様となる。
住み慣れた我が家で暮らし続ける人に、安心と快適を提供する。
そして、できるだけ家のメンテナンスを気にしなくていい、経済的な提案を心がけている。
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