ご高齢のM様御夫婦を見ていると、自分と重なるところをついつい感じてしまいます。
息子さん二人いて、男兄弟で仲がいい感じです。
なぜ知っているかというと、M様は高齢者向け返済特例制度を利用して、住まいをリフォームしようとしているのですが、高齢者向け返済特例制度は以前にご紹介したと思いますが、もう一度簡単に説明しますと、住宅金融支援機構(旧公庫)の融資なのですが、ちょっと変わっていて、60歳以上の方限定で、土地を担保、返済は毎月金利のみ、元金は死亡時一括返済という融資制度です。
最近、非常に相談が多くなってきた制度です。この制度は、連帯保証人は必要ないのですが、相続人が承知していることが前提で、通知義務者というのですが、相続人の誰かになっていただきます。
その説明時に息子さん達に一度お会いしました。先日、M様との何度目かの打ち合わせでした。
入院してたご主人が退院したというので行ってきたのです。前回この欄でお話したように、私はお袋と“もしもの時の話”をずっと心の中で思っていたものですから、その話をM様に聞いてもらいました。
時系列的には前回のお袋との話は、今回のM様とお会いした後のことなのです。実際、M様と話して少し勇気をもらいました。
「子供は息子さんだけですよね。うちは3兄弟、男ばかりです。」と私。
「そう、うちも男二人でして」と奥様。
「よくお話しますか?」と私
「全然、男の子はあまり喋らないから」と奥様。ああ、どこも同じなんだな~と思い、思い切って聞いてみました。
「この制度は亡くなった時に一括返済になるんですが、それだけではなくもしもの時のことって、息子さんたちと話し合ってるんですか?」
「いや、普段はあまり来ないから。」
奥様、いやお母さんのちょっとさみしい、それでいて、目の奥の瞳がキラっとして、なんだかやさしく輝いたのを感じました。
「実は私も同じで、なかなか親とは話をしないんです。ましてやそういう話は。男はダメですね。母親だけなので、話さなきゃいけないと思っているんですがね。M様も今回いい機会なので、制度のことだけでなく、一度話し合ってくださいね。」
お父さんは、これまた黙っていましたが、うんうん頷いて、御夫婦揃ってやさしさが溢れ出てる感じでした。
私はこの話の二日後にお袋に会いに行きました。