サウナの入り方は人それぞれである。
それぞれの数だけ道がある。
我慢道なる道がある。
当然、道であれば、ルールがある。
・本、新聞を持ち込んではいけない
・食べものを持ち込んで食べてはいけない
・横になって寝てはいけない
これらは、全国どこの”道場”にも必ず掲げているルールである。
が、しかし、”道”となると、それだけではすまない。
公序良俗なるルールは必須だ。
男子の道場しか入ったことはないが、聞くに、女子の道場には、道場をけがす様な不遜な行為が多いように聞く。
いやいや、他人の詮索はやめよう・・・・・”道”だから。
こと、男子の道場に関しては、ルールだけではない、暗黙の我慢道がある。
まず入って、どこに座るかが肝心である。
最初は、あまり高い位置ではいきなり身体によくはない。
出来るだけ低い位置におもむろに座る。
時間は、最低5分は入る。
いきなり、15分も20分もい入る輩がたまにいるが、これは、身体によくない。
笑止な入り方、まだまだ、勉強が足りない入り方とでも言おう。
2回目からは、好きなように入ってけっこう。
高いところに座り、それでも10分を目安にしよう。
しかし、この10分が拙には、ちょっと高い目標である。
いつも8分くらいが限度で、我慢ならず、出てきてしまう。
身体がいくら暑くても大丈夫なんだが、呼吸が苦しくなっては致命傷である。
この弱点はなかなか克服できない。
そういえば、超熱いラーメンをすする時、よくむせる癖がある。
だから、サウナでも呼吸が苦しくなるのだと、拙なりに分析している。
以前は、無策のまま入っていたのだが、最近は克服の技を覚えたのだ。
タオルを水でぬらして、口を抑える方法だ。
手でずっと押さえると疲れるから、頭から頭巾のように、口に掛けるやり方だ。
これだと、けっこう長く入れるようになった。
でも、10分の壁はかなり高く感じている。
このやり方には、多少 デメリットがある。
それは、肝心な部分を隠せないというところだ。
なにもこれは、恥ずかしいだけではない、人様に失礼なことでもある。
公序良俗とは、こういったことも大切なことである。
公衆の前では前を隠す。
当然なことも、最近では、できなくなりつつあるようだ。
銭湯の入り方を、教える頑固オヤジもいなくなった。
話が脱線して失礼。
我慢道である。
道場に入ったら、入ったで、そこはまず負けたくないという気がおこる。
これは自然なことである。
入った時は、自分が一番後に入っているから、その時いた人より先に出てはいけない。
これが、5分・6分・7分と過ぎていくと、ダンダン一人減り、二人減り、していくが、
なかなか出ていかないヤツがいる・・・・
ヤツなんて言っちゃいけない・・・”道”だから。
心の中で、通じ合うものがあるのだ。
向こうも、先に出ろと思っているのがわかる。
こっちも、早く出ろよと念じている。
我慢の限界近くなると、言い訳がましいことを思ってくる。
拙が入るちょっと前に向こうも入ったから、ここで出ても同じくらい我慢したことになる・・・
なんて都合のよい解釈が、頭をもたげ始める。
いやいや、そんな言い訳を消して、さらに我慢する。
長いように感じるが、それもたぶん20秒くらいだろう。
1秒1秒がこんなにも長いのか・・・
立とうと思った、その時に、向こうが先に立った。
それから、すぐにあとを追うような、みっともない真似は出来ない。
おもむろに、8秒してから、何気なく席を立つ。
努々(ゆめゆめ)、ふらつくことなかれ。
これが、我慢道のい正しい道である。
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