最後の追い込みをかけている現場で、大変なことが判明した。
かなり古い住宅だが、かれこれ、築40年以上の木造だが、
和風のいい家だ。
窓もサッシではなく、木のガラス窓。
よく掃除が行き届いているし、大切に使ってきたことがよくわかる。
まだまだ、大丈夫。
普通は、サッシに交換しましょうというところだが、
家の人も気に入っているらしく、サッシにとは言わない。
だから、内装もよくあるビニールクロスにフローリングにはしなかった。
真壁を生かし、和紙と珪藻土の内装、床は土佐から取り寄せた国産無垢杉材の板張りにした。
構造は、昔の建物だから、ちゃんと補強しましたよ。
これでもか、というくらいに、補強しました。
が、しかし、肝心のところに来て、あるはずの基礎がないということが分かった。
えっ?という感じだが、いくら探しても基礎がないのである。
そんなバカな?
最初に解ったのは、桁がないことだった。
上に桁がなく、下に基礎がない。
増築部の肝心要がそうだとすると、いままで、母屋に寄りかかっていたことになる。
これじゃ、大地震時、真っ先にここからつぶれるだろう。
桁は、まあ、ないことも時々あるが、
肝心のところに基礎がないのは、どうにもならない。
設計は、一つじゃないから他に補強個所を持っていくこともあるが、
この場合は、どうしてもここは譲れないところである。
床をはがして、新しく基礎を作るしかない。
言いにくいことではあるが、施主にハッキリと言うしかないから、申し上げた。
幸い、御理解いただいたが、こういうことは、そうあるものではないからして、もうビックリだった。
今からじゃ、どうしても、年越しである。
これも一つの勉強になったが、大工さんはいろいろなことをやってくれるものである。
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