上部構造評点1.0のカラクリはご理解いただけただろうか・・・
別に小難しいことをぐちゃぐちゃ言いたいわけではないが、言わざるを得ないことになってしまう・・・
実は、先日のセミナーはなんと、一人で6時間の長丁場だった。
一人で6時間は初めてである。
普通はいくら長くても、3時間がいいところ。
リフォーム塾の1時限目と2時限目は、拙一人でやるので、そのくらいにはなる。
しかし、今回は6時間だった。
翌日は声がかすれていた。
その席での話であるが、これがまた、いい質問が出た。
地盤の話である。
今まで何十年もずっと傾かなかったし、ちゃんと建っていたのに、建替えると、なんか~、地盤調査とかになって、基礎杭とか地盤改良とかしなくちゃならないとか言って、ものすごいお金がかかるなんて、なんで?
別に地盤だってそんな悪いなんて話は聞いたことないし・・・おかしいよね。
確かにそうである。
あっそうか、一般の人って、こういうことがおかしいって思っているんだな~と感じた次第である。
よ~くお気持ちは分かる・・・
先ずは、お気の毒というしかない。
これには、建築基準法という法律の改正がかかわっている。
この法律はこれが結構、ちょこちょこと変わるのである。告知●●号とかいって、どんどん規制が増えていくやっかいな代物ものである。
耐震補強の話は、耐震改修促進法なるまた別で法化されているが、建替え時の地盤の話は基準法自体が変わって、告知で細かく記載されているのである。
どんなことかというと、基礎を作る際に、地耐力ってやつをちゃんと測んなきゃいけないことになってきた。
要するに地盤の強さのことである。
今は鉄筋は当り前、ベタ基礎全盛である。
しかし、全部がそうしなくてもいいのである。
そう、地盤が強ければ鉄筋すら入れなくても大丈夫なのである。
ええええええええ~・・・と思われるかもしれないが、本当なのだ。
地耐力が70kn/㎡いじょうであれば、無筋の基礎でも良いとのことである。
しかし、現実にはそんな地盤なんてそうあるものではない。
それどころか、先ほどにもあったように、今まで大丈夫だったのが、今度は、杭を打つだとか、地盤改良しなきゃいけないとかになってきちゃう。
実はそれには、地盤調査の方法が絡んでいる。
一般的には、SSという方法が広くいきわたっている。
SSとは、スウェーデン式サウディング試験という。
非常に簡便で、費用も安いのである。
建替えるとなると、建築費のほかに何かといろいろ費用がかさむから、出来るだけ経費を抑えたいと思う気持ちはわかるし、建築業者にしたってそうであろう。
このSSという地盤調査の費用は、安いところでは25,000円くらいで行うところもある。
普通の建坪が15~20坪くらいなら、一般的には3~4万円くらいが相場である。
へぇ~意外と安いじゃん・・と思うだろう。
しかし、これがちょっとしたミソなのである。
この調査は、簡便なだけに、その結果も比較的安全側にでることが多い。
この安全側がくせものなのである。
この安全側という言葉、構造用語とでも言おうか、要するに専門用語と思っていただきたいのだが、
すべからく、悪い結果を重視するという考え方とでも言っておこうか・・・
悪いほうに判断しておけば、それだけしっかりしたことをしなければいけない訳だから、結果は良い。
ということなのである。
で、SSで調べると、杭を打つ、地盤改良する、という結果につながりやすい。
となるとここから、地盤屋さんの登場である。
お宅の家を建てるには、地盤が悪いので、ハイ、50万円かかります、100万円かかりますという話になる。地盤改良の話である。
この地盤屋さんが実は、地盤調査をしているのである。
地盤調査は安くても大丈夫、ちゃんと地盤改良することになるから、そこでお仕事になる。
というカラクリである。
いやいやいや、別に調査結果を改ざんしている訳でもなんでもない。ちゃんと調べている。
ところが、これが違う方法で調べると、地盤改良しなくともベタ基礎でも良いという結果が出る事もある。
表面波探査法という調査方法がある。
少しばかり費用は高いが、これは、SSに比べて詳しく地盤を見れるので、結果が安全側に働くSSより、結果として地盤改良する確立が低くなる。
SSとセットの地盤改良が地盤屋さんの仕事に結びついている現実。
地盤改良すると、傾きに対する保険、保証も付いてくる。
3000万円くらいの保証が多いが、地盤屋さんが、保証してくれるのである。
これには、建築屋さんも助かるのである。
なぜか?10保証の問題である。新築から10年間は建てた業者の責任である。法律化されている。
もし、地盤が大丈夫だとしても傾いたら、建替えになる可能性もゼロではない。
だったら、地盤改良して保証してくれるんだったら、そっちが安心だと考えるのも無理はない。
けっかユーザーとしても安心であろう。
でも、今は、10年保証の保険に入ることが義務づけられたから、より安心になってきた。
これまた、小難しい話になってしまったが、ご理解いただけたろうか・・・
業界の裏話的になってしまったが、説明が下手なもんでご勘弁いただきたい。
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