職人ってどんなイメージだろう・・・
話しかけてもムスッとして、答えてくれない。
ガンコな怖いイメージがあるかもしれない。
でも本当は違うんだよ。
ちゃんと答えたいけど、口下手で、うまく話は出来ないけど、心根は優しい他人が多いんだ。
ただ、自分の仕事に対して目線が近くなっているってことがある。
全体的なことがうまく把握できればそれは、もう、超一流の職人と言えるだろう。
この全体的な流れや、つながりや、もっと言うと、場の雰囲気までつかむのが、現場を預かる監督なのである。
職人でそこまで見通して仕事ができれば大したものである。
目線が近くなって当然である。先ずは、自分の仕事が何よりだ。
プロだから、仕事は出来て当たり前。
その程度は、人によって様々だろうから、でもプロの職人として、10年以上やっていれば、大体、仕事的には大丈夫。
でも、仕事の精度に差が出るってことがあるが、じゃ、なぜ程度の差が出るのか・・・
それは、性格である。
ちょっとくらいいいか・・・と思うのと、
ピッタリしてないと気がすまないと思うのでは、自ずと仕上がりに差が出てきて当り前だろう。
これは、腕の差ではない。
やろうとすれば、熟練の技は持っている。
それ以上に大切なのが、性格である。
腕があればどこでも通用するという時代は終わった。
というか、昔からそんな時代はなかった。腕だけ良ければいいなんて時代はないのである。
ある時期ほんの少しばかりあったのは、特別に需要が多かった時期であり、そんな高度経済成長は稀なのである。
どんな仕事でも、職人でもやはり人間的に目指すものは一緒であるはず。
むしろ、その技を極限まで、突き詰めれば、自ずと人間性が磨かれるものだろう。
これでもかこれでもかと、毎日の修練を積むこと。
カンナの刃、ノミの刃を毎日研ぐとことが、同時に人間性を磨いていたことに気づく。
ところが、最近は大工の道具も違ってきた。
現場では、カンナは使わない。ノミも使わない。
それどころか、新築では、ゲンノウも、手ノコも一度も使わない現場がある。
どうやって建ててるの?
大工道具の必需品は、今では、インパクトドライバー、釘打ち機、丸ノコである。
全て電動工具である。
この3つがなければ仕事にならない。
いまどきの大工は、のこぎりを持ってないし、金づちも持ってない。・・・ちょっと言い過ぎか・・
確かに、電動工具のほうがきれいに切れるし、仕事が早い。
それでも、仕事は心である。
それはいつの時代になっても変わらない。
そういう筆者も、このところ、工具から、パソコンになり、建物の計算ばかりが多いが、それでも、それは職人としての仕事だと思っている。
設計だって、現場監督だって、営業だって、自分の仕事に目線を近くして、研鑽を積むことに変わりはない。
どうやったら、お客様が真に良かったと思えるような仕事にするか・・・ここが目的である。
そういう意味では、どんな仕事も職人であることに変わりはない。
当たり前を当たり前に仕事する。
その評価はすぐには頂けないかもしれない。
でも、職人であれば解っている。
絶対に、気づく時があることを。
感謝してくれるときが来ることを。
そうやって毎日の仕事に取り組んでいこう。
真の職人気質を持って・・・
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