なんだか小難しい話で・・・
剛性ってのは硬さである。
ここでは建物の硬さって感じだ。
言っているのは、木造の耐震診断における話である・・・あんたの話はこれしかないでしょ・・・その通り。
一般診断法では、この剛性率は考えなくてもよいことになっている。
その理由は、大体2階建ての木造住宅では1階2階ともこの硬さのバランスが良い。剛性率で言うと0.6以上になるのが多い。
0.6がこの剛性率の合格点である。
じゃほとんどが0.6以上かというと当然そうでもない。
剛性率が0.6未満になるケースも、そりゃある。
が、その場合は、肝心かなめの耐力壁が少なくなるので、判定としては補強しなさいよ~という結果になる。
一般診断は出来た目的が、補強する必要性を判定するための勘弁な診断法であるから、剛性率まで考える必要はないということになったらしい。
らしいではなく、ちゃんと教科書に書いてある。
で、じゃ、0.6以上は上部構造評点も1.0以上になるのか・・・なるのである。
じゃ考えても考えなくても、補強するしないの結果には影響ないのであれば、いらないか・・・ということだ。
ところが、これが精密診断となると・・・精密なだけに、ここも抑えようとなった。
この剛性率ってやつは、床倍率より、注目されていない、可哀そうな奴でもある。
嫌われ者って感じである。
というのは、一般診断ではそんな理由で顔を出さないが。精密診断ではいらないところで顔を出す。
例えば、一番これがしゃしゃり出てくるのは、1階のみの補強をして、2階は全くしない場合に、
現況の2階の評点と、補強後の評点に違いが出る。
補強は1階だけで、2階は補強しないのに、その2階の評点が変わるのである。
えええええええええええと思うでしょ。
これは、1階が耐力壁を増やしていて、硬くなってしまうからだ。
そうするとこの剛性率ってやつが悪くなる。・・・
1階が丈夫になったものだから、その上のほうは揺れやすくなるということ・・・解るかなぁ~・・・
上と下が同じくらいに揺れていたのが、下だけ固めると上は揺れやすくなる。
剛性率に違いが出る分だけ、2階の評価が少し下がる。
こんな理屈である。
でも、世間では、2階は何もしてないのになんで数値が違うの?という疑問がでて当たり前。
耐震診断を受けた一般の人が説明もないままに、よく見たら、補強してない個所の数値が変わっていた・・・なんてのは不思議に感じても仕方ない。
これと同じ考えが、一般診断でも、立面的な混構造ってやつのところにある。
1階もしくは、地下車庫なんかがあったりして、その部分がコンクリートで出来ている案件だと、必要耐力に割り増しをする。保有耐力/必要耐力の分母に割り増しされる。
これなんかが、剛性率の考え方である。
コンクリートは非常に硬い。この硬いものの上に乗っている木造は、上に行くほど揺れやすい。
剛性率の違いによる揺れやすさを考慮していることになる。
どうでもいいくらいなものであるが、いろいろ突っ込まれることがあるので書いてみた。・・・次第
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