耐震、というと建物が傾かないようにすること。
免震というのも聞いたことがおありだろう。
これは、揺れる地面と建物自体を切り離すこと。
これいいじゃないか・・・
そう、とってもいい・・・がコストがけっこうかかる。
耐震と免震、その中間に、制震というのがある。
コスト的にも塩梅がいい。
がしかし、これだけではイマイチ頼りないのが、制震。
耐震+制震がよい。
結論から言ってしまったが、現実的にこの組み合わせが一番いいと思っている。
耐震とは、言いかえれば、建物自体は壊れながら倒壊まではいかないようにすること。
なんだか訳がわからない・・・
かもしれない・・・
もう一度解りやすく・・・
耐震とは、地震のエネルギーを建物が正面から受け止めて、それに耐えようとする。
もしかしたら、どこかにヒビが入るかもしれない、壁がはがれるかもしれない。でも倒れないよ、というのが耐震。
揺れることは揺れる。震度6強なら6強の揺れを直接そのまま感じる。
制震というのは、免震ほどではないが、揺れを緩和させる。
6強が5強になるかも、もしかしたら5弱になるかも・・・
ここで恐ろしいことを言おう。。。
耐震は倒壊はないかもしれないが、大破になるかも知れない。
その可能性はある。
耐震で、1回目の震度7に耐えたとする。
その後、もしもの余震、6強に耐える保証はない。これは耐震の定義である。
間違っちゃいけないので、ここで声を大にして言おう。
何もしないより絶対に耐震したほうがよいに決まっている。
耐震適合証明が出せる耐震強度の評点1.0以上は確保したい、してほしい数値であることに変わりはない。
他に考え方はないか、ということを話しているので誤解しないでほしい。
と考えれば、制震の選択、いや耐震+制震はより画期的ではなかろうか。
実は制震のみでは、心もとない。
そこまでの威力はない。
ところが耐震とコンビを組むと、制震というやつは、これがけっこうな武器になる。
制震装置は数多くある。
どれを選ぶかが、問題。
木造の住宅では、実はまだ制震の基準がない。
各メーカーが制震装置を出しているが、シュミレーションで限界耐力計算を仮にでも出しているところはまだ良心的である。
中には、壁強さ倍率で制震をうたっているところがある。
これはいささかどうか。。。
正直に、出来ない計算があると言っているところのほうが、聞いてみると信用できる。
そんな制震を素人でもハッキリとその効果を体感できる診断法がある。
動的診断だ。
制震する前、制震した後で建物自体を揺らしてその効果を計る診断法である。
揺らすと言ってもちょっとした振動を与えて、その一番反応する周期を分析するということだが、
それでもバケツの水が波打つほどの揺れを体感できる。
それが、水が波立たないようになったとしたら、諸貴兄姉氏は信用するだろうか、制震を。。。
コメント