建築の設計料っていくらくらいか知っているだろうか?
総建築費の5%~15%くらいが相場のようだ。
有名な建築家の先生にお願いすると15%くらいはかかるそうな・・・
これをどうお感じになるか?高いと思うか、当然と思うか、人それぞれだろう。
建築費2000万円で100万円から300万円である。
高いと言えば高いし、住みやすく使いやすく、オリジナルデザインなんだし、工事監理までするんだったら、当然じゃない・・・
人によってさまざま、実際に工事する工務店なんかでも、意見が分かれるところである。
設計料を取らないところもある。
もちろん確認申請費等や図面は頂くことはあるが、それでも、通常は5%くらいがいいところではないだろうか・・・
ところがこれが、リフォームとなると話は全然別である。
先ずもって、設計料の話すら出ないし、こちらもしないのが普通である。
よっぽど有名な建築家先生でなければ、出ない話だろう。
ここに疑問を提示する建築家の方たちがいる。
日本では設計に対してサービス、いわば無料との固定観念が強い・・・と嘆く。
だから、有料というと抵抗感があるのは事実である。
しかし、これはデザインいわば意匠の話である。
構造になると話が違う・・・ぜんぜん違う。
構造計算がいるとなると、当然設計料がかかるのは当たり前である・・・
がしかし、それがどのくらいが適正か、一般人には非常に分かりにくい。
例えば、このようなことがある。
リフォームであるが、工事費300万円に対して、55万円の設計費。このリフォーム工事の合計金額は355万円。
いかがだろうか?どうお感じになるだろうか?
ここでいうリフォーム工事とは実は、木造住宅の耐震補強工事である。
耐震補強工事も、リフォーム工事であることに間違いはない。
構造計算というほどではないが、その範疇ではあるが、それでも55万円というのは、いい金額と思うのは拙だけだろうか・・・
実はこれは、横浜市の補助金を利用しようとした市民のところに、届けられた設計料の見積もりである。
横浜市の無料相談を申し込み、派遣された市登録の設計業者の見積もりである。
これは一例だが中には、80万円くらいになるところもある。
法外でもなんでもない、横浜市に申請すれば、というか申請しなければならないが、承認される見積もりである。
設計料の中には、工事監理も含まれる。
詳細な計算は当たり前として、現場にも、3回くらいは足を運ばなければならない。
書類の申請やら、なんやら、設計の先生には仕事量も多く、このくらいの設計料は当然と思われるかもしれない。
拙も建築士のはしくれだから、その気持ちも十分わかる。
しかし、あえて申し上げる。
紙の上でいくら計算しても、耐震補強は進まない。
工事にこそ、お金をかけて、補強工事をしやすくすべきである。
横浜市の補助金は、全国一の上限150万円である。(非課税世帯は225万円)
実は、その内訳は、設計費20万円、工事費130万円の補助金ということなのだ。
先ほどの見積もり、設計費55万円ということは、そのうち20万円補助金が出て、自己負担額が35万円ということになる。
拙は、20万円も設計費が補助金で支給されるのであれば、それだけで行うようにすべきではないかと思う次第である。
市の申請ははなはだ面倒くさい。それはわかる。
あんな面倒くさい、時間のかかる設計申請を20万円ではできない・・・という先生方もいらっしゃるでしょう・・・
解ります。横浜市の申請が、他の行政と比べて面倒くさいということはよくいわれる。
がしかし、設計申請費20万円は全国的に見ればそのくらいが相場のようである。
当然、弊社では、市の補助金だけで設計、申請を行っている・・・ここは営業
もう一度言う、紙の上だけでは、補強は進まないのである。
補強することを目的にするならば、出来る限り、工事費に予算をまわせるようにしたい。
大目標は大地震時に備えること。工事してこそなんぼである。
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