耐震補強工事は耐力壁を効率よく配置して、大地震に備える。
簡単に言うとこんなことだろう。
耐力壁と一言で言ってもいろんなものがある。
筋交いとは、諸貴兄姉氏には一番解りやすいことだろう。
構造用合板というものある。
耐震基準となるものはこれら壁を地震に対して、強くして耐えるということだが、壁だけ考えればいいのかというとそうでもない。
あとは、そう屋根もある・・・そう、基礎もある。
このくらいは、けっこう出てくる。
しかし、けっこう肝心なものに、水平構面がある。
水平構面とは、床のことだ。
特に筆者は、2階の水平構面、床が重要と考える。
耐震補強する場合、どうしても1階部分の工事が多くなるが、その時に、天井を壊し、2階の床面の水平構面を強くすることを心がけている。
大体、火打ちという角に斜めのつっかえ棒を良く入れるが、これではあまり強くない。
床倍率という基準があるが、6畳間の角に4つ入れても0.8、約1倍くらいである。
これの強さは、45mmの筋交い1本分の強さしかない。
これでは、どうも頼りない気がする・・・
そこで、合板を2階根太に打ちつけようか・・・これも約1倍くらい。
火打ちと合板両方やって、2倍くらいである・・・壁で言えば、45の筋交いダブルくらいである。
これが、コボットという水平ブレースがある。
これだと、約3倍の床倍率を確保できる。
すごいもんだ・・・こんなものでホントか?と思ってしまうが、実験データではそれだけ出ているというのだ。
工事からしても非常に簡単で、しかもリーズナブルだ。
しかし、数値には表れてこない。
偏心率というバランスを考慮する補強設計が常識だが、これが良いと、床水平構面の倍率は影響しないようになっている。計算上は・・・
これが数値には表れないということだが、が、が、が、・・・重要なのである。
特に下屋根があり、2階の外壁下に壁が配置されていない住宅
こんな家では下屋根の水平構面がとても大事である。
耐震診断においても杓子定規に数値ばかりは追えない。
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