リフォームというと、かつては服のリフォームもあるので、住宅リフォームとどっちかと思う人もいた。
住宅リフォームが、これほど注目されている時代はかつてない。
国も新築よりもリフォームに力を入れている。
やたら中古住宅とか既存住宅とか言って、補助金にしてもそうだし、ワイワイガヤガヤ言っている。
そして、流れは長期優良化であろう。
これは新築でもそうだ。長期優良住宅である。
これまでみたいに20年、30年でスクラップアンドビルドではなく、
もっともっと100年、できれば200年持たせたい。
既存ある住宅であれば、すぐに壊すのではなく、性能を上げ長く持たせる。
いわゆるリフォームである。
この流れはこの先続く。
中には、リフォームしても長く持たないものもある。
これは建て替える意味がある。
そうして、住宅の性能をあげ、未来に残せる住宅にしていく。
なぜか?
以前のままの住宅政策では、空き家が多くなり、ゴーストタウン的な街並みしか残らなくなるからだ。
なぜ空き家が多くなる?
そりゃ、人口が減っているからで、今現在でも空家率が10%を越えている。
このまま、今までのように毎年100万棟建てていると、20年後は4件に1件は空家となる。
これでは優良な街並みは出来ない。
リフォームに力が入るわけである。
それも優良なリフォームに・・・
住宅産業は大手含め、これまでの新築重視の意識ではなく、大きくリフォームへと傾いて行っている。
一言でリフォームと言っても様々。
一般ユーザーうけするのは、なんといっても水廻りが多いのではないだろうか。
と、デザインがよいものである。
けっこうなことだ。
斬新なデザイン、最新のキッチンやお風呂、トイレも節水型のカッコイイものが出ている。
なんと今までの便器は13Lの水で流すのに、最新モデルはたった4Lである。
今ある便器は毎回流すのに13L使っているのが4Lということは3分の1だ。
すごいことになっている。
デザインリフォームもこれまた素晴らしい。
どうしても中古住宅や既存住宅では斬新なデザインやそういった最新の設備が注目される。
うちみたいに構造的な話をまずするところは、むしろ煙ったがれる傾向がある。
これは一般ユーザーは素人だからしょうがない。
そこはプロが押さえなくてはならないポイントである。
それも押しつけがましく言うのではなく、デザインの中に何気なく入れる。反映させる。
耐震というとそれ自体がリフォームの一つの項目になっているが、これは項目にすべきではない。
これはもう、最低線のすべきものでなくてはならない。
土台はある。柱もある。当然である。建物だから・・・
その中にすでに存在することとして、構造がある。耐震がある。
設計の中で必ずチェックしなければいけない内容として存在する。
しかし、これがなかなか進まない。
設計者の中でも、どうしてもデザイン系にばかり意識がいく。
何とかしなくちゃならない・・・
ジェルコで増改築相談員という資格について話し合った時に、もう一つ上の上級資格を検討する旨の意見を言ってみた。
新築は確認申請があるので誰でも出来る。制度として出来ている。
リフォームは難しい・・・いろんな構造があるから。
こっちのほうが経験がいる。最低10年は現場経験がないと難しい。
国でもこれほどまでに注目し、また、政策的にも力を入れているリフォームをこのまま視覚的に野放しにしておくつもりはないようである。
資格的なものを考えているそうな。
今の法律では、手を上げれば素人でもなんでも次の日から、リフォーム会社を立ち上げることが出来る。
建築業登録も必要ない。資格保有者のしばりもない。
このあたりの問題を業界としてどうしていくのか・・・
社会に認知されればされるほど、みあった対応が求められる。
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