やはり、台風一過である。
朝から電話が鳴り止まない、というと大げさか・・・前の晩からも留守電もけっこう入っていた。
雨漏れが一番、次いで屋根が飛んだ、フェンスが倒れた、などなど・・・
雨漏れに関して、ここで大きな声で言おう。
今回の台風15号の雨漏れは雨漏れにあらず、と言いたい。
数年に一度の雨漏れは、これはもうしょうがない。というか直す必要がない。
これは新築時の構造的な欠陥とまではいかない、屋根の形が原因のものがほとんどである。
この形がけっこうかっこよく出来ているので、雨漏れを徹底的に直すならば、この形を変えなければならない。
変えるとカッコ悪くなる。お金が掛かる。けっこう掛かる。
家は潜水艦ではない。
そのまま海に漬けると水が入ってくるところがある。そりゃそうでしょ・・・
数年に一度の台風とはこういうことである。
風はものすごい圧力で水を押し上げる。
普通、水は高きから低きに流れる。
常識だが、これが風圧力で考えられないところから這い上がってくる。
このような水に、家を潜水艦にしますか?
ものすごい金額が掛かるし、することではない。
日本の住宅は、夏を以て旨とすべしと言われてきた。
これは高温多湿の夏のほうが、住みにくいという現れである。
冬の寒さは多少我慢できるということだろう。
それより蒸し暑い夏、風通しを良くすることが日本家屋の伝統である。
安普請のすきま風は良しである。
アトピーとかもなかったはずである。
それでも住宅技術は進んで来た。大したものだ。ものづくりニッポン。
技術をただ技術としてではなく、どう活かすかが肝心要である。
住まい方を考えなくてはならない。
その人の、家族の住まい方、生活スタイル、価値観、将来・・・住むということは、何も家だけのことじゃない。
闇雲に技術に頼るだけでは、住みやすさは実現できない。
と同時に、住まう方も分別が必要。
家を潜水艦にはしないほうがよい。
FRP防水で包み込むと確かに、海にでも建てられるかもしれない。
船がそうだが、それは船である。家ではない。
住宅の性能は最近は、最高水準近くに達しているだろう。
そのすべての技術を取り入れるなんてナンセンスである。
技術が進むと相反する技術が出てくる。どちらも高性能だが、相反する技術を同時に使うことほど愚かなことはない。そんな人はいないだろうけど。
家とは・・・人が住むところだ。
住むとは、つながりであろう。
つながりがなければ、人は住めないと思う。
家族、町、ご近所・・・家、住まいとは・・・深いなぁ~
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