耐震の相談に行ってきた。
今回は、すでに耐震診断を受け補強提案まで出来ている。
その内容がはたしてどうかというご相談だ。
いわばセカンドオピニオン的なもの。
これは必要であろう。
やっぱり、耐震診断とその補強と言っても、行政が行う場合以外は不安も残ろうというもの。
横浜市の無料診断でもはたしてどうかという方もいらっしゃるくらいだから、民間業者の診断と補強提案には1社じゃどうもと思われても仕方ない。
結果から言えば合格点である。
確認事項として言わしてもらえれば・・・と前置きして申し上げた。
診断が精密診断で行われていた。これには少々ビックリした。
民間の耐震提案に精密診断法による提案を見たのが初めてだったからである。
正直あまり見ない。
であれば非破壊で既存の筋交いがどのように確認したのかが知りたいことだった。
というのは30×90と45×90の筋交いが分けて表示されている。
屋根裏と基礎の写真もきちんとあったのだが、それには30×90筋交いしか写っていない。
しかもシングルとダブるが表示されている。
建築確認書が無いというからそれも参考にはしていない。
ということは、筋交いセンサーでも持ってきたのだろうか・・・
それも違うらしい・・・ではどうやって筋交いをあれほど詳細に把握できたのか?疑問が残った。
安全側でみるべきなので、そのあたりが気になった。
見積書も見せてもらった。
耐震補強工事内容が記載されていたが、その仕様面材と保有耐力表に記載されている面材とが違っていた。
ここもちょっと気になったが、これは設計者が解っていれば大したことではない。
おそらく見積もりした人と補強設計者がちがうのであろう。補強設計の内容で工事すれば問題なし。
N値計算書が添付されていなかったから、柱頭柱脚金物の種別までは記載されていなかったが、ツイン基礎補強の設計になっていた。
ホールダウン金物を使わなければならない引き抜き力が出ることだろう。
一見してみても解る。これは安全側に配慮した補強設計であるからして、これはこれでよし。
もし筆者であれば、VP系の金物でも使えるようであればそうするなと思うくらいである。
現実横浜市の補助金工事ではそのような設計をしている。
あまり基礎工事をしたくないというのが本音ある。予算がかかるからである。
でもこれは設計者の考えによるから、予算が多少かかっても鉄筋基礎で引き抜き力を担保するというのであればそれでよい。
全体的に見て、よく解ってらっしゃる方の設計なので、よろしいのではないでしょうかとお答えした。
どうお感じになったかは解らないが、あまりにも変な場合はハッキリと言うつもりだったが、ちゃんとした設計なので多少の懸念はお伝えしたが、安心されたようだった。
築後20年ほどの建物だが素晴らしい家だった。新築時坪単価が100万円以上したようだ。
新築時の設計者はデザインにこだわっていた。がしかし、構造には全く興味がないようだった・・・
そこが残念、というかこういうことはよくある。
現況の評点が0.35だった。30年以上前の家でなくとも補強しなくちゃならない家はまだまだある。