日本木造住宅耐震補強事業者協同組合・・・なんと長ったらしい名前だろうか・・・
17個も漢字が並らんでいる。
この団体、設立してもう13年経つ。当初は任意団体だったが、すぐに建設省の認可団体となった。
国交省になってからも認可だったが、今では社団法人になっている。
工務店、リフォーム会社の団体としては全国で一番大きなな組織である。
通称、木耐協と言われている。
何をやっている団体かといったら、具体的に簡単に言えば耐震診断を無料で行っている。
ここの組合員になると耐震診断は無料で行う。
耐震診断や補強設計をしたことのない人には、講習が用意されている。
資格試験もある。もちろん任意のものだが。
今のところ木造建築物の耐震に関して、国の公的な資格はないので、いろんな組織でそれぞれ行っているのが現状である。
中でも始めて”耐震”をやろうとする方は、ここで勉強するのが一番よいだろう。
基本的なことから丁寧に教えてくれる。
そういえば先日、拙を訪ねてきた建築士も木造の耐震のことは良くわからないといっていたので、ここを紹介してやればよかった・・・電話して教えてやろう。
木耐協、無料耐震診断なんてやっているから、以前は設計事務所から目の敵にされていた。
そりゃそうだ、設計事務所からすれば、自分の領域に来て、無料でそんなことをされたんじゃお飯の食い上げじゃ~ということだろう・・・
木耐協の底に流れる理念は、命を守る・・・だ。
事の起こりは、平成7年1月17日午前5時46分・・・そう、阪神淡路の大震災である。
エイムという会社が木耐協の母体である。
エイムは、耐震の金物製造販売を産業にするために、木耐協を作った。
今では、もちろん金物や耐震グッズを扱っているが、中古住宅の流通に力を入れている。
なんで???・・・そのいきさつは、耐震補強というのは、実はなかなか産業としては発展させるのは難しい。
今でこそ、そう、東北の地震で耐震に対する意識が高いが、阪神のときもそうだったが、2年もしないうちに忘れ去られてしまうのが世の常である。
大きな地震が起こる度に、耐震グッズは売れるが、しばらく平穏なときが続くと売上が上がらない。
これでは大地震対策として、命を守ることが理念なのに、大地震を期待してしまうことになっていた。
世の中の人が、地震に興味を抱く決定的なポイントがある。
もちろん、大地震があちこちで起きるとそうなるが、平常時で関心が高くなる時がある。
それは、中古住宅を購入するときである。
このときは、皆がその住宅の耐震性は大丈夫かどうか心配になる。
一生に一度、そのときしかない。
よくよく考えたもんだ・・・
その考えは当たった・・・いやまだ、当たるはずである。
一生のうち一番高い買い物。絶対に慎重になるが、耐震性については専門家に聞くしかない。
このタイミングでしか、マーケットは耐震に興味を持たない。
自分の命に関することなのに、平常時は気にならない。
いや、潜在的にはあるのだろうが、そればっかり考えて生活しているわけじゃない。
新築着工戸数の激減はわかっていた。これから上がるはずもない。
中古住宅の流通が活性化されてくるという予想もある。
はたして本当にそうか・・・
どちらにしろ、新築にしろ、中古にしろ、客観的に専門家の立場でものを言わせてもらうことに価値が出てくるだろう。
マーケットがそれを望んでいるなら・・・
・・・
・・・
なんだか、木耐協、エイムの回し者のようだが、長年の腐れ縁、・・・失礼・・・
拙の想いと、一致する点がたくさんあるので、興味深く見守っている。
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