あまりなじみのない言葉である。
リバースモゲージ、金融関係の人は良く知っているようだが、我々建築の人は知らない人が多いだろう。
一般的な日本人には浸透していない言葉である。
ところが最近、妙に多く使うようになってきた。
ええ、拙がである。
高齢者向け返済特例制度ってヤツ。
ここでも以前に書いたから知っている諸貴兄姉氏も多かろう。
この相談がこれまた増えている。
なんといっても、住宅金融公庫、昔はこう言っていたが、今では住宅金融支援機構という。
ここが進めている。利用条件に、60歳以上となっている。
だから、高齢者向けなのだ。
返済特例とは、毎月の返済は金利だけという融資制度である。
9月の金利が2.05%だから、300万円借りると毎月6175円の返済額ですむ。
これだったら、年金でも返していけるんじゃないかと思う。
で、元金はどうなるの?・・・ごもっとも。
亡くなった時の一括払いである。
ええええええええええ、と思う方は、使わない。
これが今までの日本人的な人。
じゃ、死んだ時、子供たちに迷惑掛けるじゃない?
仰る通り、多少は掛ける。
死んだ時は誰でも生きている人に迷惑というか、面倒は掛けることになる。しかし、これは順番である。
リバースモゲージというのは、生きている間に自分の財産の前借りである。
残してもしょうがない、生きているうちに自分の財産は自分で使っちゃおう、という考えが基本にある。
アメリカナイズされた合理的と言えば、あまりにも合理的な考えだ。
これが日本人にはあまり受け入れられない考えだった。
今までは。
多少はいいんじゃないか・・・と思う人が多くなったのかもしれない。
この高齢者向け返済特例制度の融資は条件があり、耐震補強工事または、バリアフリー工事にしか使えない。
地震対策と高齢者対策である。
自分の家をリフォームする際に、自分の財産を少し前借りして、安心して老後を暮らす。
でも、それじゃ子供たちに残す財産が減ってしまう。子供たちに申し訳ない。
死んだ時の一括返済ってのは、実はこの制度利用者にはほとんどいない。
皆さん、実は持っている。いや、お金を。
持ってはいるが、一度に多く出したくない。これが心情。
じゃ、借りるか。誰も貸してくれない。いや高齢者の返済特例で、月々金利だけ返しておいて、まとまったら繰り上げ返済。皆さんこれだ。
この制度を使っている人は合理的というか、だんだんとそうなってきているのか。
これも日本人的なのだと思う。
廻りに迷惑はかけたくない。
一度に全部出したくない。何があるか解らないから。
皆さん思うことは一緒なのである。
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