国産の木材、杉・桧を使い住宅を建てるということは、いろんなメリットがある。
地産地消が叫ばれる中、これだけはなかなか進まない。
食べ物の自給率が40%を切ったとか、切らないとか言っているが、
木材の自給率は、そんなレベルではない。
もうほとんど、外材で住宅を建てている。
高度経済成長が世界に誇る奇跡であることは、世界の皆が認めるところである。
しかし、その陰におびただしい犠牲があった。
もちろん国内でも公害等、環境破壊がそうだが、一つには、インドネシア、フィリピンなどの熱帯雨林の破壊である。
これは、日本の経済成長の陰に、地球の酸素製造工場の一つを破壊してしまったのである。
温暖化も進むわけだ。
そのくらいすごいことになっている。
先日、鳩山総理が、インドネシア訪問の際、円借款を約束しているのがニュースで流れていた。
東南アジアに対しての円借款、ODAなどの援助は、戦争責任もあるのかな、とずっと思っていた。
こんな、罪ほろぼしも陰に隠れていたとは・・・
昭和の中ごろから、まずはインドネシアから始まり、その熱帯雨林をとりつくすと、フィリピンとそのあたりの熱帯雨林を根こそぎ食べつくす。
エコノミックアニマルとはそういうことだったのか!
今は、どこを食べているかというと、パプアニューギニアである。
ここの、木材伐採工場の労働環境の悲惨さは半端じゃない。
って、田中優は涙ながらに語っていた。
さらに、語る。
熱帯雨林をとりつくし、シベリアにも手をつけている。ここはヤバイ!
ここの木を切ると、その下は永久凍土、これが溶け出すとメタンガスが出る。
このメタンはCO2以上の温暖化が進むそうな、これがとんでもなくヤバイという。
田中優は続けて語った。
外材の輸入総量は、およそ8,600万立だそうな。
国産木材の成長が、毎年およそ8,600万立米。
国内にある木の成長量のこと。
え、ええええええ~自給できるんだ!
ってことです。
それが、食物の自給率以下、数パーセントなんて!
食べ物も、輸入している同じ量だけ、ゴミとして捨てているのが現実。
木材も、国内の木が毎年伸びる分だけ、外国から輸入している。
そしたら、国産の木はどうなっているのか・・・なんもしてない。
だいたい、山を維持するだけのお金が山に行かないのである。
これじゃ、山は、伸びほうだい荒れ放題になってしまう。
杉花粉って、昔はこんなに問題だったのか、たしか、花粉症と言いだしたのは、30年くらい前からだと記憶している。
杉は、戦後、住宅の為に、どんどん植林された。政策として推奨された。
そのあたりの林道の脇まで、手の届くところはみな、杉を植林した。
その口が乾かぬうちに今度は、外国からの輸入に頼ったのである。
外国の木材のほうが安いので、需要は外材に移る。
国産材の値段は昭和40年代と今と、現地では値段は変わらない。
これじゃ、ほっとらかしの杉君はどうなるのか。
はや、戦後40年、50年過ぎ、60年が経った。
杉君も成長する。面倒を見てやらないといけないのである。
天然林は、手をつけないのが常識だが、人工林にした途端、木は、ほったらかしじゃダメなのである。
隣り合う同士の枝が重ならないように、途中で世話をしなければならない。
間伐である。
そうしないと、生存本能がより多くの花粉を飛ばす。
生い茂った葉の下は太陽の日が届かず、保水力のある下草が茂らない。
だから、大雨で土砂が削り取られる。土石流が発生する。
温暖化で台風が異常に発達するという、温暖化の原因の一端をつくり、土石流発生のメカニズムを作り、
自給できる量の木材を輸入し、そして、国産材を放置する。
変な国と思うのは、外国人だけではないようにしなければいけない。
どこに住んでいるんだっけ、我々は、そうだ、たしか、日本という国だ。
経済成長のみが、巷では話題になる傾向がある。
「どう、景気は?」「いや~よくないね~」
拙もよくする会話である。
経済優先は、どうも治らない。
ぬるま湯から出たくないという気持ちは誰にでもある。
あえて、環境の為に厳しい生活はしたくないと思うのは人情だ。
ここらあたりを、うまくいく仕組みはないのか。
天然住宅に明るい期待を寄せる次第である。