リフォーム業界が、今年に入ってから、うごめきだした感がある。
建築業界と言ってもいいかもしれない。
ある意味業界の再編が起ころうとしている。
再編と言っても、リフォーム業界は大きな会社がある訳ではなく大多数は小さな零細企業が圧倒的に多い。
もちろん売上1位から20位くらいまでは大手が占めているが、それでも自動車業界などと違い数社でシェアを分け合っているわけではない。
地元のリフォームのほとんどは零細企業が担っているのが現状であろう。
これは不動産業界と似ているように思う。
もちろん不動産業界も大手が大きな物件や高額物件を得意として扱っているが、戸建てのそれも中古物件などは、町場の小さな不動産屋さんのお世話にならなければならないものも多い。
こんなところで、リフォーム業界と不動産業界がとっても似ていると思ってしまう。
どちらも、大企業が独占できる仕事ではない。
この二つの似たような業界。交流がイマイチない。
リフォーム屋さんは、不動産に弱い。
不動産屋さんは、建築、特にリフォームの知識には疎いところがある。
このどちらも、専門的に扱っているところがないのである。
ここでいう不動産とは、開発するとか、分譲するとか、そういった大きなものではない。
日本の住まい事情は今、住んでいない住宅が相当数ある。いわゆるストック住宅である。
このストック住宅を何とかしようと政府も思っている。
中古住宅の活性化である。
ここでいう不動産の扱いは、この中古住宅に絞っての話である。
この中古住宅、扱っているのは当然不動産屋さんである。
そのままでは住めないので、直すのはリフォーム屋さんである。
このニーズが、今増えているし、これからのマーケットも伸びるのは解かっている。
しかし、その担い手である町場の小さな不動産屋さんやリフォーム屋さんが双方とも、お互いのそれぞれの仕事に苦手意識がある。
一般の方から言わせると不思議な感じがするだろう。
両社とも、専門化である。
どちらかというと、不動産屋さんの言うことのほうが、信用できると思うかもしれない。
しかし、建築のプロから言わせると、それはないでしょ・・・ということが多い。
しかし、リフォーム屋さんの言うことはイマイチ信用できない。これも真理であろう。
新築の着工戸数が激減している。
今の若い人は、建売の新築なんて皆同じに見える・・・なのだそうな。
大手も数年前から、本腰でリフォームに参入している。その結果が売上上位20位まで大手で締めてしまっている。
当然、その大手も不動産にも勢力があるのに、グループ会社同士でお互いに連携している節がない。
ま、大手はどこでもそんなもんかもしれないが・・・
世のニーズ・ウォンツはそうではないはず。
中古住宅は、その構造的性能が心配である。
例えば耐震性能はどうなのか?配管は大丈夫なのか?
建物の寿命は?どのくらい持つものなのか?
住宅購入することは一生の問題である。
不動産屋は売りたくてしょうがない。
リフォーム屋は直したくてしょうがない。
どちらも仕事が欲しいのである。そりゃ世の商売は皆当然といえば当然である。
その専門性が、お互いに密接に必要なのに、その両方をちゃんとわかっている会社が少ないのが現状である。
専門性とは、相当な専門性でなくてはならない。
技術力だけではない。
もちろん技術力は当然として、ファイナンシャルの知識、情報力、そして、有益な政策の補助関係や資格のサポートができるかどうか・・・などが問われる。
これからの中古住宅の活性化には、不動産屋でもリフォーム屋でもない、もうひとつの業界が出来るのかもしれない。
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