木造における基礎のコンクリートの硬さってのは、RCほど重大にはなっていない。
古い住宅なんかを見ていると、つくづく感じる。
よくもまぁ~これで持って来たもんだ・・・
30年以上たっていると、本当に脆い。
表面を化粧モルタルで塗っているにもかかわらず、その中身はいわゆる脆弱である。
耐力壁を配する時、一番気になる点の一つが基礎への負担をいかに軽くするかである。
耐力壁は強くすればいいってもんじゃない。
45×90の筋交いをタスキにし、構造用合板を大壁で打ち付けると、11.6KNというけっこう強い壁になる。
一般診断法では、9.8KN以上は一律にこれ以上は耐力を見ないことになっいる。
ので、この11.6KNは9.8KNに置きかえられる。
ということは、ここまでしちゃいけないってことだろう。
ダブル筋交いは筋交い、合板は合板とその場所では両方やって、あまり強くしないことがいいのかもしれない。
筆者はいつも、N値を気にしている。
N値とは耐力壁の両端の柱にかかる引き抜き力のことである。
壁を強くすればするほど、N値、引き抜き力が高くなる。
それを抑えるための強力な金物が必要になってくる。
場合によってはホールダウン金物と言って、基礎に埋め込み土台を抜け柱に勤結する。
新築時の場合は、鉄筋に絡める必要があるが、古い住宅だと鉄筋がない。
なければ基礎を2重に抱かして新しく作って、その鉄筋に絡める。
しかし、あくまでもこれが横浜市のやり方である。
確かに正しいやり方であるが、お金もかかる。
予算はどんな時でも重要事項のひとつである。
青空天井にかけていいものではないのは当たり前。
このツイン基礎というが、抱かせる鉄筋基礎を作るのは柱の引き抜き力が高くなるからである。
ということは耐力壁が強すぎるのだ。
木造というのは初めからそんなに剛性の高い建物ではない。
やわらかい構造を持った建物ということを先ず認識しなくちゃ・・・
ホールダウン金物を使うような強い壁を配置しないよう、適度な強さを持った壁を、バランス良く配置する。
そう、バランス良く配置すれば、適度な強さ、ホールダウン金物を使わないような壁、N値10kN以下になる様に設計することを考えたほうがいい。
地震が来たら、バランス良く揺れて、揺れを吸収する。
そんなイメージを強く持って設計し、施工する。
思いは必ず、その建物に通じる。
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