先日の一般診断法が改訂になった話、ちょっと付け加えなければならない。
その他の壁の耐力要素が、大きく変わったという話。
0.25Qr、Qrは必要耐力。いわゆる必要耐力のすでに1/4はもってるはずでしょう。ということで保有耐力に無条件で足していることについて説明した。
新しい計算方法は、0.25-0.2knと書いた。knとは無開口壁率で、(無開口壁長/外壁長)と書いたが、これは係数の計算であって、出てきたこの係数に、必要耐力をかけてあげて、その他の耐力とするのである。
だから、今のその他の耐力は単純に0.25×Qrであるが、新しい計算法は0.25-0.2kn×Qrとなる。
ここで無開口壁率という新参者をもう少し考えてみよう。
無開口壁とは何か?普通に、窓のない壁である。その率なのだから、窓のない壁がどのくらいあるかということだろう。
それを外壁の長さで割ってやると率となる。そりゃそうだ。
例えば、そんな家はないが、窓が全くないとしよう。
無開口壁率は、1/1で1.0となる。必要耐力に掛ける係数は、0.25-0.2×1.0で0.05となる。
ここで必要耐力Qrを仮に50knとすると、その他の耐力として、足される数値は50kn×0.05だから、2.5knとなる。
今の計算法では、50kn×0.25となるので、12.5knだ。
12.5knと2.5kn。こんなにも違っちゃう。
こんなことはないが、これはどういう意味だろうか。
新しい計算法は、この例だと、全部が壁だから、その中にちゃんとした耐力壁が多く含んでいるはずである。
その壁はちゃんと計算されているので、いわゆる雑壁、その他の耐力とみるべき壁は少なくていい。計算では2.5knとなった。
今の計算ほうの矛盾がここに出る。すでにちゃんとした耐力壁として計算しているのに、また、その他の耐力として、1/4も足すことになる。ここでは12.5knと大きな数値になった。
明らかにおかしい。
では今度は、全部が窓というのを仮定してみよう。
全部窓だと、無開口壁率は0になる。なので、係数は0.25-0.2×0だから、その他の耐力にかけるのは0.25となる。今の係数と同じ。
ここでも必要耐力が50knとすれば、12.5knはその他の耐力としてるでしょうということになる。
そりゃ、窓という窓が、天井から床まで全部開口で空いているなんて、そんな家はないだろう。下がり壁や腰壁はある。
なので、必要耐力の1/4くらいみてもいいんじゃないというイメージも湧きやすい。
無開口壁率はなんとも合理的だが、じゃ、なんで0.25-0.2knの0.2なんだろう????
これってどうやって決めたのか?
0.2じゃなくて、0.21とか0.18とか、なんでもいいような気がするが、0.2になっている。割り切り易く、えいや!で決めたのか。。。
別にそんなこと気にしなくたっていいんだけど、こういう計算って、他にもいろんなわけのわからない係数があちこちにある。
0.25も考えてみりゃそうだ。
なんで0.25なんだろうか????
だいぶ前にそんな質問の答えを聞いたことを思い出す。。。
名誉があるので、実名は出さないが、ある偉い耐震のY先生が言っていたそうな。
「0.25?うーん、なぜですかね。。。昔から亡霊のようにありますね。」だって。。。
人伝えに聞いたことなので、本当にそういったかどうかは定かではない。
先日の話がちょっと説明不足だったので、付け加えた。
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