昨年の夏くらいまでだったと思う。
室内の下地によくつかわれている建材だが、プラスターボードがある。
新築はオールこれだ。
これの耐力が、1.2knでみてよいと教科書にはある。
だいぶ以前に、青本(日本建築防災協会の耐震の教科書)の講義を聴きに行った時、そんなことを言っていた。ちゃんと拙の青本にはメモが書いてあるから、たぶんそうだろう。
厚さが12mmなくても9mmでもOKとメモしてある。
昔の建物は、ラスボードに塗り壁が多いが、これはダメ。厚7.5mmしかないから、耐力は0とみる。
その昔は、竹こまいの土壁だったりしたので、これはその厚さを見て耐力をみる。
プラスターボード、いわゆる石膏ボードであるが、耐震診断で1.2knみるとそれはそれで、けっこうな数値になる。
洋室一部屋だと、けっこうな耐力になっていたが、これが、昨夏あたりから横浜市の見方が、釘の種類とピッチもみろとなった。
そんなの無理な話だ。
非破壊でどうやってみるのか???
確かに青本には、CN釘の50かなんかで、250mmピッチとかなんとかで、川の字打ちでとかなんとかで1.2knと書いてある。
そんなの新築でその通りにやれと言うならまだしも、既存の住宅で仕上がっているのにそんなことを杓子定規にみてどうなのか!?
なので、こんなことが起きた。
以前にまだ、PB(プラスターボード)だったので、1.2knで耐力をみて、現況と補強設計をした。
1.05で補強計画ができた。それで見積もりし、18か所の補強となった。
それが、PBの耐力の証明が出来ないので、無耐力としたら、1.0を下回ってしまった。
3か所補強場所を増やさなくてはならなくなった。当然工事金額の見積も上がる。
お客様の自己負担額も上がっってしまった。
ご説明して、ご理解をいただいて、そのまま申請を続行したが、どうもこっちが納得いかない。
そりゃ、今までみていた耐力が0になるのだから、そして補強箇所がふえるんだから、結果安全側に設計されていることにはなる。
18が21箇所になったんだから、そりゃそうだ・・・
そんなことがあって、今ではPBは全部0としている。
だから、室内側の耐力のみてとれるところはないのが現状。
外のモルタルは相変わらず1.6knでOK。
精密診断法でやっていると、これはもう安全側の設計だということがハッキリ見て取れる。
じゃ、それ以外は耐力がないのか?ちょっと風が吹けば倒れるのか!?
筋交いがどうしても見れなくて、外がドイツ下見の板張りかなんかで、内壁がラスボードの塗り壁なんかだったら、精密だったら評点は0.0となる。
ということはちょっと揺れたら倒れちゃうのか?
あくまでも震度6強から7の話ではあるが・・・
そんなことはないと思う。
じゃ、一般診断のように鼻っから、必要耐力の1/4を耐力にいれてもいいかというと、これまたそれも行き過ぎのような気がする。。。
一般診断法の精算法と精密診断法の略算法は非常に似ているが、ここが一番違う点である。
ゴメンナサイ、めんどくさいはなしになった。。。
青本もどうも、この秋あたりに改正があるという話である。
いや、診断の計算がであるが。
話を戻そう。簡単に言うと、今は横浜市の補助金申請するには、かなり、安全側で補強設計することになる。
ハッキリ言うと、すごく丈夫に補強せよ。とのこと。
全国平均レベルより、かなり丈夫になる。
結果、補強箇所も増えるので、金額もかかる。
自己負担も増えている。
金額だけ言うと補助金がアップしても、自己負担は変わらない。という状況ではある。
これで本当にいいんだろうか・・・